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[ 病気のお話 ]

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耳の疾患の中で、特に遭遇する機会の多い外耳炎は耳道内の洗浄と点耳薬による治療で改善しますが、一部の動物 では慢性化し難治性外耳炎へと進行してしまうこともあります。耳の汚れが目立つようになった、耳をかゆがるようになったなど気になる点がでてきたら、ぜひ一度ご相談ください。今回は、耳の検査や代表的な疾患について紹介します。
診察の流れ
問診・身体検査
耳道内の被毛や垂れた耳や狭い耳道、耳道内での分泌過多などといった先天的な要因の他、水分が耳道内に入りやすいような生活環境や気候(高温多湿)といった環境要因が耳の疾患の原因となります。これに対して疾患の直接的な要因として、寄生虫、異物、腫瘍の他、アレルギー皮膚炎、免疫性疾患などの基礎疾患が挙げられます。このように耳の疾患の発生には複数の要因が関連しており、診断を正確にするためには問診や身体検査が重要となってきます。
検査・観察・診断
  • 耳鏡検査
    耳鏡による観察の目的は(1)耳道内の上皮の状態、(2)異物や腫瘍の存在の有無、(3)鼓膜の損傷の有無を確認することです。肉眼で観察される部位に異常がなくても、次のステップとして必ず耳鏡検査を実施し、異物や腫瘍の存在を確認する必要があります。
  • ビデオオトスコープ
    ビデオオトスコープによる観察は、耳道内腔が拡大されてモニターに描出されるため、より細かい観察が可能となります。またモニター画面を見ながら、より効果的な耳道洗浄や、異物の除去、レーザーによる腫瘍の焼烙など、治療を同時に行うことができるといった利点もあります。
  • 耳垢検査
    耳道内からの分泌物が認められた場合、塗抹標本を作製し顕微鏡による検査を行います。 (1)炎症の程度、(2)角化亢進の有無、(3)細菌や真菌の増殖の有無、(4)寄生虫の有無について評価することができます。
  • 細菌培養・薬剤感受性試験
    すでに長期間にわたり抗菌薬が投与されている場合などでは、疾患の原因菌が薬剤に対して耐性を示すことが多く、経験的な薬剤の投与による治療がうまくいかない可能性が高くなります。このため、原因菌の培養と薬剤感受性試験を実施することが重要となります。
  • 画像診断
    耳の疾患のすべての動物で画像診断が必要になるわけではありませんが、慢性化し難治性となった外耳炎の場合や腫瘍性疾患が疑われる場合には、腫瘍などの存在の有無や中耳への波及(中耳炎)の確認を目的として頭部のX線検査やCT検査といった画像診断を行うことがあります。
  • マラセチア
    マラセチアによる外耳炎
    マラセチアは犬や猫の表皮角質層に常在する酵母様真菌であり、皮膚や耳道内などから検出されます。湿潤や皮脂の多い環境で増殖しやすく、皮膚環境の変化や宿主の免疫機能の変化により病原性を発揮すると考えられており、独特の臭気や強いかゆみを生じます。治療は、耳道を洗浄したのち抗真菌薬を点耳します。
  • ミミヒゼンダニ
    ミミヒゼンダニによる外耳炎
    ミミヒゼンダニは犬や猫の主に外耳道に寄生する比較的大型のダニです。ダニの移動による物理的刺激かあるいはダニのもつ成分に対する過敏症によるものと考えられる強いかゆみと炎症を伴い、罹患動物の外耳道はもろい黒褐色の耳垢により満たされます。まれにミミヒゼンダニが外耳道以外の腰背部などに症状を起こすこともあります。治療は、耳道を洗浄したのち駆虫薬を塗布します。