[ 病気のお話 ]

呼吸器科 前のページへ戻る >>

呼吸器の疾患では咳や呼吸困難、またそれに伴う運動量の低下などが見られます。また、呼吸器症状が現れた場合には呼吸器そのものの疾患だけでなく、心臓病による咳、腫瘍の影響による呼吸困難など様々な疾患の可能性があります。そのため、呼吸器症状がみられた場合はその原因を精査することが重要です。
問診・身体検査
どのような状況のときに呼吸器症状が出るのか、症状の出やすい時間帯や季節性はあるのかなどを問診で確認していきます。身体検査では、呼吸器だけでなく全身を確認していきます。呼吸器に関しては、気管の触診、呼吸音の聴診などを行います。
検査
● 血液検査
呼吸器症状を起こしている基礎疾患を見つけ出すのに役立ちます。また、CRP(炎症マーカー)を測定することによって炎症の存在を早期発見することができます。
● 血液ガス検査
血液ガス検査 血液のpH、酸素の濃度、二酸化炭素の濃度などを測定することで、肺の機能を客観的に評価することができます。例えば、呼吸困難になると酸素が取り込めず反対に、二酸化炭素が排出できずに溜まっていきます。そのため、血中の酸素濃度は低下し、二酸化炭素濃度は上昇します。血液ガスの測定は、治療方針の決定や治療効果の判定に役立ちます。
● 画像検査
画像検査 レントゲン検査によって肺や気管の状態を確認することができます。肺野の病変の画像パターンを分類し、どのような疾患が疑わしいのか診断することができます。また、吸気時と呼気時のレントゲン写真を撮ることによって、気管虚脱の有無を診断することができます。当院では、単純なレントゲン撮影では判断の難しい気管虚脱に対しても透視下のレントゲン撮影が可能であり、動的に気管虚脱を診断することができます。超音波検査は、胸水や腫瘤の診断に役立ちます。また、呼吸器症状の原因となりうる心臓疾患の存在を診断することができます。
主な病気
● 気管虚脱
トイ犬種、小型犬、および肥満犬に多い病気です。「ガーガー」というガチョウの鳴き声の様な咳をするのが特徴です。正常な気管は軟骨によって支えられていますが、気管虚脱では軟骨の変性に伴い気管が潰れるため、呼吸困難になってしまいます。気管の潰れ方が大きいほど症状も重篤になります。気管虚脱は進行していくため、症状が軽いうちに診断し軟骨の保護を行うことや、体重を適正に管理することで進行を抑えることができると考えられています。 気管虚脱
● 肺炎
酸素室 肺炎では、呼吸促迫、発熱、元気・食欲の低下などの症状がみられます。肺炎を引き起こしている原因によってウイルス性、細菌性、誤嚥性、好酸球性などに分類されます。必要に応じ、酸素室での酸素療法、輸液による脱水の予防や栄養投与、抗菌薬による細菌感染の予防、ステロイド剤による炎症抑制などを行います。

● 猫喘息
人の喘息と似た疾患が猫でも知られており、猫喘息と呼ばれています。原因としてはダニなどのアレルゲンやストレスなどの関与が疑わしいと考えられています。喘息発作は夜中から明け方に起きることが多く、またアレルギーが関与している場合は季節性が現れることもあります。アレルゲンが関与している場合は、それを排除することによって症状が改善します。原因の除去が難しい場合や原因が特定されない場合には、気管支拡張薬やステロイド剤を用いて症状を管理します。

● 犬の呼吸器感染症
ネブライザー ケンネルコフあるいは犬伝染性気管気管支炎などと呼ばれていた感染症です。近年では、多くの病原体の混合感染であるという病態が明らかになってきたため、犬の呼吸器感染症という名称が用いられるようになってきました。犬パラインフルエンザウイルス、犬アデノウイルス2型、気管支敗血症菌などに加えて、細菌やマイコプラズマなどの混合感染によって引き起こされます。多頭飼育での発症が多く、発症した犬との接触によって感染します。発作性の咳が主な症状ですが、重症になると鼻汁や元気食欲の低下なども見られます。罹患してしまった場合、ネブライザー(吸入器)での治療や抗菌薬を用いた治療を行います。犬の呼吸器感染症の主な原因
ウイルスはワクチン接種によって発症時の症状を軽減することが可能です。