整形レッグ・カルベ・ペルテス病(Legg-Calve-Perthes Disease) 前のページへ戻る >>
若齢の動物において大腿骨の骨端軟骨が閉鎖する前に生じる大腿骨頭の非炎症性無菌性壊死で、血流が遮断されるために大腿骨の骨端の虚血が生じます。発症時期は4~11ヶ月齢。
一般的に片側性であり、大腿骨頭と骨頚部の変形が生じ、股関節を動かすことで急性の激しい疼痛を示します。また徐々に進行し痛み止めを使用しても改善せず自然に治ることはないので、早い段階での外科的治療が必要です。
一般的に片側性であり、大腿骨頭と骨頚部の変形が生じ、股関節を動かすことで急性の激しい疼痛を示します。また徐々に進行し痛み止めを使用しても改善せず自然に治ることはないので、早い段階での外科的治療が必要です。
好発犬種
トイ犬種やテリアなどの小型犬種
症状
股関節に激しい痛みを生じるため、跛行(歩様異常)や 肢の完全挙上が見られます。痛みにより徐々に患肢を使わなくなるので、重度の筋肉の委縮を認めます。
診断
X-ray検査で、大腿骨頭の変形、大腿骨頚部の短縮、大腿骨骨端内の骨密度の減少した巣状病変、変形性関節症、 大腿骨頭や骨頚部の亜脱臼または骨折が認められます。しかし、初期の状態では検出できない場合があるため、 定期的にX-ray検査を実施していきます。
一般的な診断、治療の流れ
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来院
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問診臨床症状(肢を挙げる・肢を引きずるなど歩様異常、
筋肉量の左右差など)、犬種、年齢 -
検査身体検査(股関節の触診、整形外科学的検査)、X-ray検査
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外科的治療
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リハビリテーション
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退院
治療
・外科的切除
激しい疼痛が見られる症例や大腿骨頭の変形が見られる症例には、外科的治療が適応されます。
- 大腿骨頭・骨頸切除術 Femoral Head and Neck Ostectomy(FHNO):
寛骨臼と大腿骨頭及び骨頚部を人工材料に完全に置き換えることにより、関節機能を正常〜ほぼ正常まで近づける手術。適応される年齢は10ヶ月齢以降、小型〜大型の症例まで対応しています。重度の変形性関節症・慢性的な反復性股関節脱臼の症例などで適応されます。 - 股関節全置換術Total Hip Replacement / Arthroplasty(THR/THA) :再建的手術
寛骨臼と大腿骨頭及び骨頚部を人工材料に完全に置き換えることにより、関節機能を正常〜ほぼ正常まで近づける手術。適応される年齢は10ヶ月齢以降、小型〜大型の症例まで対応しています。
重度の変形性関節症・慢性的な反復性股関節脱臼の症例などで適応されます。