どうぶつにやさしい画像診断CT
当院では、80列マルチスライスCTを導入し、
院内症例や紹介診療の画像診断をおこなっています。
CTとは
CTとはコンピューター断層撮影(Computed Tomography)の略称で、X線を360度方向から連続的に照射して体内の断層像を得る装置です。当院で導入したCTは80列(1回転〈0.5秒〉で80の断面を同時にスキャン)の装置で、より微細な病変も短時間かつ低被爆で鮮明に描出することができます。
CTはレントゲンに比べて体組織の識別能力が高く、より精度の高い検査・診断が可能です。血管に造影剤を投与してさらに詳細に観察することもでき、撮像データをコンピューター処理することで立体3D画像にすることもできます。
CTは骨格の異常や臓器の異常箇所、腫瘍性病変の把握から外科手術のプランニングまで、様々な場面で非常に重要な役割を果たします。
CT検査は主にこんな時に行います
  • 腫瘍(がん)が疑われる時、転移を確認する時
  • 歯や骨の形状の確認(骨折、脱臼、外傷、変形など)
  • 消化管内異物の確認
  • 血管形成異常(門脈シャントなど)の確認 
CTは整形外科の手術においても有用です
  • 立体3D画像で術前計画を作成・共有、事前シミュレーションが可能に
  • 骨や関節の整復など手術箇所を術中・術後に撮影して確認できる
麻酔について
動物のCT検査は全身麻酔が基本となります。動物はじっとできません。検査中に動いてしまうと、検査で得られた画像の診断精度が落ちてしまいます。
当院の80列マルチスライスCTは、短時間での高速撮影により麻酔リスクの高い症例や、麻酔を避けたい患者様にとって無麻酔での精度の高いCT検査が可能になります。ただしその子の状態によっては、無麻酔の撮像が困難な場合もありますので、まずはお気軽にご相談ください。
造影検査について
造影検査では、静脈に造影剤を注入し、単純CT検査では見つけられない病変を描写します。また造影剤の流れを時相によって複数回撮像するため、全身麻酔が必要になります。